日出城址から見渡す別府湾の海中に湧き出た湧水で育つマコガレイは、清水の湧く海底で生息するため泥臭みが無く、丸々として頭部が比較的小さいなど、他の場所のものとは異なった特徴を持ちます。これが全国に知られる「城下(しろした)かれい」です。
城下かれいの美味しさは古くから知られ、江戸時代は一般の人々が口にすることができなかった殿様魚で、参勤交代の際には将軍家へ干物を献上し、4年に1度の閏年には端午の節句に間に合うように生きたカレイを江戸まで運んだといわれます。
美食家・木下兼次郎が昭和12年(1937)に著した『続・美味求真』では、「この魚の特徴は、肉質やわらかく色が純白で、少しの生くささも無いことである。これを刺身にすれば光沢があって青水晶のごとく、香味優逸にして確かに魚介の首位に推すべきである。」と絶賛しています。
城下かれいの調理方法はさまざま。刺身、にぎり寿司、煮付け、天ぷら、唐揚げなど、和食の調理方法すべてにおいてその美味しさが際立ち、食す人を魅了します。
城下かれいは4月から9月くらいにかけてシーズンを迎え、特に5~7月頃が最も美味しい時期といわれます。旬の時期になると「天下の美味」を求めて多くのお客様でにぎわいます。本格的な会席料理から手頃なランチセットまで、ご予算に応じてお楽しみいただくことができます。
日出町は県内でも有数の鱧(はも)の産地です。日出産の鱧は、生簀での「活かし込み」(低水温の生簀に数日間入れることで、消化器官の中をきれいにするのと同時に身を引き締める)を行うことにより、鱧に特有のクセがなくなり、美味しいと評判です。
鱧には小骨が多く、「骨切り」という高度な調理技術を要することから、県内でも鱧料理を提供する店はあまり多くはないのですが、日出町では鱧料理を食べられる店が多くあります。
鱧といえば、湯引きにしてあっさりといただくのが王道ですが、フライや焼き物など様々な調理法で味わえます。
町内の飲食店では、概ね6月~11月頃くらいの期間を通して鱧料理が提供されます。
産地ならではの新鮮で美味しい鱧料理をぜひ味わってみてください。
また、深江の朝市では「骨切り」済みの切身の販売も行っていますので、そちらもぜひご利用されてみてください。
別府湾の自然の恵みである「しらす」。日出町では昔からしらす漁が盛んで、しらすを天日干しにして乾燥させた「ちりめん」は、高級ブランド「豊後別府湾ちりめん」として全国に出荷されています。
しらすは傷みやすく、水揚げされたらすぐに釜で茹でるため、湾岸には加工工場が建ち並んでいます。ちりめんの季節になると、港近くではちりめんが一面に敷き詰められ、その白い絨毯のような風景は日出の夏の風物詩です。
天日干しをする前の茹でられた状態の「しらす」は「釜揚げしらす」と呼ばれ、「ちりめん」とは異なり、ふっくらとした食感を楽しむことができます 。「釜揚げしらす」のオススメの食べ方が、ご飯の上に豪快にぶっかけていただく「しらす丼」。日出町内ではこの「しらす丼」を供するお店があるほか、漁師直送の新鮮な「釜揚げしらす」を販売するお店もあります。
大分県は全国第2位のギンナン生産量を誇り、日出町は県内最大のギンナンの産地です。
日出産のギンナンは大粒で、なおかつ濃厚な味わいを持つのが特徴。
定番のぎんなんご飯、茶碗蒸し以外にも、殻をむいて塩茹でや塩炒りなどにも使われます。
出荷時期は、8月後半~12月にかけてです。
真那井地区で生産され、海水栽培を採用していることからこの名称で呼ばれています。
糖度が8度以上と高く、まるでフルーツのような味わいです。
「トマ王」ブランドとしても知られています。
出荷時期は1月~7月にかけてです。
日出町は県内最大のかぼちゃの生産量を誇っています。
果肉が厚く、ホクホクした食感で食べやすいのが特徴です。
出荷時期は夏かぼちゃが5月~8月初旬、冬至かぼちゃが12月です。
日出産の紅八朔(べにはっさく)は通常の品種に比べて実が柔らかく、赤みを帯びているのが大きな特徴です。
マーマレードなどの加工品も製造されています。
出荷時期は3月~4月にかけてです。
日出町では養鶏が盛んです。
日出産の鶏卵は濃厚で、とても深い味わいがあります。
産み立ての新鮮卵は、販売はもとより産地でそのままシュークリームやロールケーキなどのスイーツ、お惣菜にも生まれ変わります。
近年、人気上昇中の日出産ブランド豚。
豚にストレスがかからないよう、細心の注意を払った環境で肥育されています。
そのため、日出ポークのお肉はとてもきめ細やかで、旨味が凝縮しています。
「とんかつ」や「しゃぶしゃぶ」などに最適です。